あんまり死なない方がいいですよ。

この一年で体験したことを遺しておく。

半年前まで女じゃなかった。

 

半年前まで自分で化粧品なんか買ったことがなくてスキンケアの仕方さえ知らなかった。化粧水や乳液とかいろんな種類のものがあることを知ったのも最近。肌の色によって下地の色を変えなきゃいけないっていうことを知ったのも最近。「化粧しなきゃダメだよ」と知り合いに叱責されたときも「可愛い人が見栄えをよくするためにすることをなんでブスがしなきゃいけないの?」と本気で思っていた。着飾ることが恥ずかしかった。だってどれだけ足掻いたってブスはブスのままなのに、美容院でモデルと同じ髪型を頼むのが恥ずかしいように、誰かになりたい美しくなりたいって思われてるんじゃないかって思ってたから。自分の顔が好きじゃない。乾燥する肌が好きじゃない。地味に肌荒れする肌質が好きじゃない。鼻の形が好きじゃない。整えてもすぐにはねる髪の毛が好きじゃない。眉毛の形が好きじゃない。厚いへの字の唇が好きじゃない。好きじゃないものを見つめながら向上心を持つなんて恥ずかしくてできやしない。服も適当でいい。そんな適当なのにいっちょ前に承認欲求だけは爛々と輝いていて、誰かと比較しては「けっ」って思ってた。卑屈なブス。

その考え方を変えてくれたのがアイドル。去年の初めにでんぱ組.incを好きになった。おそらくアイドルの中でもぱっと見で「かわいい!」とはならない。ファンでも思う。でも動いてるのを見たり写真を見ていく中で「めっちゃかわいいな…かわいい…なんだこれは…」とユラユラ感情がざわめくのを感じるようになった。アイドルは自分が一番かわいい瞬間を切り取って精一杯生きている。まぶしい。素敵。大好き。「可愛い」に価値がどれだけあるか思い知らされた。「可愛い」ってすごい。見るだけで生きる力が湧いてくる。でも、だれしも最初から輝いているわけじゃなくて、そりゃ元から綺麗な子だっているんだけど、ほとんどのアイドルは一生懸命自己プロデュースをして、急に花びらがわっと開くように美しくなる。昔の写真と今の写真を見比べて本当にすごいって思った。整形なんかじゃどうにもならない「可愛い」って存在するんだよ。可愛くなろうとする努力が「可愛い」へ近づく絶対的条件なんだよ。年下の女の子見て気づかされちゃったよ。気づいたのが21になる直前ね。

遅すぎたと思った。

遅すぎでしょ。無理。高校の時なんてスカートなんか曲げたことなかったし髪の毛にも頓着がなくてずっとおかっぱだったし。大学に入っても化粧なんて1年に10回もしなかった。もちろんすっぴんで登校してた。自分を着飾る努力すらしないで他人から承認されたいなんてバカみたいな話があるかよ。ちょっとお金出せば買えるんだからそれくらいしろ。バカ。着飾ることは「自分のため」であり「他人のため」でもあるんだよ。やっぱり見栄えっていうのはどうあがいても大事だし。綺麗に置いてある商品の方が見てもらいやすいもんね。簡単な話だよね。それをこじらせた承認欲求で先延ばしにしてたバカはここですね。馬鹿じゃないの。馬鹿。

遅すぎる女性化を果たした今、試行錯誤しながらなんとか「女」をやっている。それまではなんだったんだろう。わかんないけど、少なくとも「女」ではなかったな。だから着飾る努力をせずに承認してもらおうとしている人を見ると過去の自分を思い出して「ありのままで好きでいてもらえるなんて思うなよ!!!!!!!!!!」と思う。ありのままで好きでいてもらえるなんて思ってましたか?随分おめでたいですね。一生そのままでいてください。自分でハッとするまではそのままだから。私がそうだったから。「女性」という存在価値に胡坐をかいて誰かに振り向いてもらおうとか思ってるのかな?思ってるの?そっかぁ。

可愛い服を着ても顔にお金かけてないんじゃやっぱり野暮ったく見えてしまう。素敵な服のためにも自分と会ってくれる人のためにもよそいきの自分を作ることは必要だと思うんです。少しでも気持ちのいい思いしてほしいじゃないですか。「自分のために綺麗にしてくれたんだ」って思わせれたら嬉しいじゃないですか。そんな他人のために生きるとか面倒かな。ごめんな、承認欲求から生まれた人間だから、他人から認められることに人生見出しちゃってるんだよな。あなたはどうかそのままでいて…。

後、化粧自体めちゃくちゃ楽しい。これは本当に。そういう記事を書きたかったんだよ。なんかメンヘラ.JPに自撮りと醜形恐怖のソレが出てるね。自撮りは詐欺って言われますけど詐欺ってなんぼだと思いますよ。ちょっとでも自分の顔を愛して生きていこうな。

 

また今度にします。諸々。