あんまり死なない方がいいですよ。

この一年で体験したことを遺しておく。

恋愛観がぶっ壊れている

恋愛をそもそも美しいものだと仮定していないから、SNSで切り貼りされたカップルの写真を見ると反射的に嘔吐してしまう。刹那に全力かけるのやめてもらえますか。その散々加工された美の裏側で君たちは血みどろの喧嘩してるんでしょう。はまれば沼。抜け出してもじっとりした感触は拭えない。非生産的な人間関係だと常々思います。美しさを捏造しないでください。やめて。怖い。どこからそんな感情湧き出してくるの。

 

でも恋愛感情は持ってしまう。軽率に持つ。恋愛体質と言ってもいい。

しかも自分のことを好きにならない人のことを好きになる。私の価値を見出さない人なんて価値があるに決まっている。最高だと思う。わかってる。

そもそも私のことを好きになってお付き合いをした時点で幸せにできないから、なんというか、なにがどうしたって地獄になってしまう。

今まで付き合った人たちは全員向こうから好きになってくれて、「ふーん」と思っているうちにズブズブと共依存になっていく。どちらかが耐えきれなくなったら終わり。お互いに気持ち悪いくらい情が残ってしまっているから、すっぱり別れられたことがない。精神というより体に依存していたような気もする。相手に答えを聞いたことはなかったけれど。微妙な関係の時は言葉を尽くすほど面倒になってしまうから、3本くらいの糸が絡まるくらいでちょうどいい。無理にほどこうとしても指が痛くなってしまうから。

一人暮らしの彼氏が居たときは週3~4で泊まっていて、体調が良くなかった頃は学校に行くこともできず部屋で寝ていることが多かった。お風呂も一人で入れない。だから一緒に入って全部洗ってもらって、髪の毛も乾かしてもらっていた。ご飯ももちろん食べれなかったからお昼休みに彼氏がわざわざ家まで戻ってきて食べさせてくれることもあった。外に出たのが2日ぶりなんてこともざらだった。柔らかい風とほの暗い夕闇を頬に感じる。駅まで歩く間、徐々に社会や人生に戻っていかなければならない事実が耐え難くて何度もシャドウに飛び込もうとしていた。社会と断絶した空間で過ごすのは精神に悪いことこの上なかったし、互いに悪いところが見えてケンカも頻発したけど、でも皮膚と皮膚が張り付くくらいには密な時間を過ごしていて、その間だけは社会も人生も呼吸も忘れられていた。とにかく人間として生きていることを忘れたかったんだと思う。その願望は今でも消えていない。密室で誰かと肌を寄せ合って、秒針の音を気にしなくていいあの瞬間は一番「幸福な死」に近い気がする。あくまでも私の場合。

 

TSUTAYAで借りたカートゥーンアニメのDVDを流し見しながら、二人で作ったシチューを食べていたあの時間は「幸せ」と呼んでよかった。深夜、彼氏の家着を借りて最寄りのコンビニまで手をつなぎアイスを買いに行く。アイスを選ぶふりをしながら店員に隠れてキスをしたり。これのどこが美しいってんだよ。バカか。節操なさすぎ。

何もできない私に赤の他人がなんでそこまでしてくれるかわからなかったけど、思い返せば介護を強要していた時もあったし、それに相手が懸命に応えようとすれば時間もお金も無駄にかかるわけで、気づけば貯金を食いつぶし留年もさせてしまった。留年のセンスが元々あったとは思うけど、決定打は完璧に私の存在。ごめんなさい。

もしかしたら何もできない人間に何かを施すことで自己の輪郭をなぞっていたのかもしれない。優越感なしに恋愛は成立しないからね。それは積極的に肯定していきたいし、やましい感情は否定するもんじゃない。人間の心はいつだってやましい。

 

やましい人間だけど、他人の人生を踏み荒らしてまで幸せになりたいとは思わない。

誰かに狙いを定めてしまうとエゴや愛や傲慢、依存を一極集中でぶっぱなすから気づいたら粉々になっている。自分から好きになったらまた違う恋愛ができるんかな。したことないからわからないけど。でも私は相手に何もしてあげられないから、やっぱり恋愛はしたくないなあ。恋愛って荷が重い。双方の人生が一気に交差するから時間やお金の浪費を考えると迂闊に手を出せるものではないと思う。21歳にもなるとさすがにわかる。私は恋愛に向いていない。そもそも恋愛に向いている人格って何。教えてください。

というか、さんざん言っているけど別に外野で恋愛はしてくれていいんですよ。価値がある人間同士が愛をはぐくむのは悪いことじゃないと思います。綺麗ではないと思うけど。そうやって人間は歴史を作ってきたんだから現代人も例にならって恋愛をやっていかなきゃいけない。恋愛感情を持たない人間もいるとは思いますが、それはまた別の話で、少なくとも歴史に恋愛は絶対条件なんですよ。各位頑張ってください。私はあなたたちの恋愛を積極的に応援していきたいと思っているし、そうでない人の生も積極的に肯定していきたい。私以外の人間にはすべからく価値があると思っています。本当に。

だから途端にラブの矢印が私に向くと「どうしたってんだ」となる。0になにを乗算しても1以上は発生しないはずなのに、驚いているうちに2にも3にも4にもなって、喜びよりも「また人生のバグを検知してしまった…」とうんざりする。やめましょうそういうのは。魅力だか何だか知らないけど、とりあえず一呼吸おいて路傍の花でも眺めませんか。視界に映る純粋な美が想像を裏切ることはないんです、絶対的な事実だけに身をゆだねませんか。もっと端的に言えば私に価値を見出さないでください。ないんです。自意識なんて形がない。私はどこにもいない。承認欲求だなんて言っちゃってるけど、実際に承認されたら怖い。中身を覗けば空っぽなんだから。バブルみたいにいつかパチンとはじけて「結局その程度か」なんて思われるくらいなら初めから何も思わないでいてほしい。お前ら私に何を求めている。何。怖い。何ですか…?若さ?女性?穴…?それ以外、ない…。

 

 

これだけ書いて21にもなって恋愛の妄想もしてみたけど、一番心地よい恋愛関係が朗らかな監禁生活になってしまった。大好きな人に24時間生活を奪ってもらえたら25まで楽しく生きられる気がする。逆に言えば、25までの人生だからそういう無茶もできる気がする。

やだ、絶対恋愛向いてない。もう嫌だ…。ちやほやが適用される25くらいまで適当に依存先を分散させて誰にも過剰な迷惑をかけずに過ごしたい…「あの子本当に生きてたのかな」みたいなこと思われるくらいの麗しのマシュマロ黒髪乙女になりたい…なんでもねだり…あれがほしい…これもほしい…わがままな君が好きさ…OHOH…OHOHOH…

 

てかそれお母さんでいいじゃん。

 

お母さんと死ぬまで暮らしま~~~~す!!!!!!

 

ーfinー